地上デジタルテレビ放送の受信障害事例

事例 No. 1
障害の種類 アンテナ設置高が低い事に伴う受信不良
所在地 東京都 調査年 2009年
障害内容
及び原因
地デジアンテナ設置時より、東京局ch24とch22が時々視聴できなくなる。アンテナ設置高が低いことが原因。
改善方法 アンテナ設置高を高くする。
障害の概要

○相談者宅では、地デジ受信用アンテナを2F屋根上のマスト(地上高約8.8m)に設置していた。
調査の結果、アンテナ高を現状よりも0.7m以上高くする事で改善出来る事を確認した。

obstacle_ex_01

受信状況調査結果 (アンテナ高 障害時8.8m/改善後9.5m )
  ch20 ch21 ch22 ch23 ch24 ch25 ch26 ch27 ch28
障害時 端子電圧 28.3 45.1 44.1 44.8 40.8 47.5 48.9 46.6 41.5
画質評価 × ×
BER 7.78E-02 1.50E-05 6.70E-04 1.30E-06 7.78E-02 0.00E+00 0.00E+00 6.00E-07 4.00E-07
改善後 端子電圧 30 48.3 48.4 48.5 44.7 51.7 52.5 50 46.3
画質評価 ×
BER 7.50E-02 5.00E-07 2.00E-07 2.00E-07 0.00E+00 0.00E+00 0.00E+00 0.00E+00 0.00E+00
※ 上記測定 増幅器無し

引用:「建造物による地上デジタルテレビ放送受信障害の調査と障害事例」 発行 平成23年11月
社団法人 日本CATV技術協会

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事例 No. 2
障害の種類 妨害波
所在地 神奈川県横浜市鶴見区 調査年 2010年
障害内容
及び原因
東京局が弱電界の為、増幅器が必要。であるが、直近にある県域局(横浜局)の電波が強い為、そのまま増幅器を使用しただけでは東京局の受信状況は改善されない。フィルターを使用することで受信が可能になった。
改善方法 横浜局の電波を減衰させるフィルター(18、42ch)を使用
障害の概要

○東京局と横浜局のレベル差が大きい為、レベルの低い東京局が影響を受けている。

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受信状況調査結果
  ch27 ch26 ch25 ch22 ch21 ch24 ch23 ch28 ch18
フィルター
未使用
端子電圧 66.3 66.5 69.2 71.5 72.6 69.7 71.9 63.8 98.8
画質評価 × × × × × ×
BER 7.8E-2 7.8E-2 7.8E-2 7.8E-2 7.8E-2 7.8E-2 7.8E-2 7.8E-2 0.0E+0
フィルター
使用
端子電圧 65.1 66.4 68.7 70.9 72.5 68.9 71.2 62.3 85.4
画質評価
BER 6.9E-4 1.2E-4 1.2E-7 0.0E+0 0.0E+0 2.7E-6 6.5E-7 2.0E-4 0.0E+0
※ アンテナ20素子高性能 アンテナ高10m ケーブル15m 増幅器33dB
※ 横浜局18chは東京局方向のレベル

引用:「建造物による地上デジタルテレビ放送受信障害の調査と障害事例」 発行 平成23年11月
社団法人 日本CATV技術協会

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事例 No. 3
障害の種類 ブースター発振および過入力に伴う受信不良
所在地 群馬県 調査年 2010年
障害内容
及び原因
地デジアンテナ設置時より、毎日朝晩の時間帯に数秒程度の受信不良が断続的に続く症状が発生。
改善方法 ビデオブースターを外して改善。
障害の概要

○相談者宅では、朝晩の時間帯に数秒程度の受信不良(ブラックアウト、ブロックノイズ)が断続的に続く症状がみられるとの事であった。相談者は当初、直近道路を大型車が通行する際の影響を思われていたが、調査の結果、テレビ付近に設置されているビデオブースターでの発振およびテレビへの過入力があると判断された。
なお、普段は複数チャンネルに受信不良が発生するとの事であったが、調査時はch19のみ受信不良が確認された。

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受信状況調査結果 (ビデオブースター設置状態での障害時/撤去後)
  ch37 ch39 ch33 ch36 ch42 ch43 ch45 ch28 ch19
障害時 端子電圧 90.4 90.1 88.9 89.6 89.3 89.3 88.7 87.1 84.9
画質評価 ×
BER 0.00E+00 0.00E+00 0.00E+00 0.00E+00 0.00E+00 0.00E+00 0.00E+00 0.00E+00 7.80E-02
改善後 端子電圧 76 75.7 74.7 75.5 75.5 75.5 75.4 72.9 70.8
画質評価
BER 0.00E+00 0.00E+00 0.00E+00 0.00E+00 0.00E+00 0.00E+00 0.00E+00 0.00E+00 0.00E+00
※ 相談者宅テレビ入力

引用:「建造物による地上デジタルテレビ放送受信障害の調査と障害事例」 発行 平成23年11月
社団法人 日本CATV技術協会

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事例 No. 4
障害の種類 ブースター発振
所在地 茨城県 調査年 2009年
障害内容
及び原因
21chのみ受信不能となる。高性能アンテナ及びブースターの調整を行なったが改善されなかった。近隣家屋でも同様の症状。調査の結果、520MHz付近に強い妨害波があり、原因は近隣家屋に設置されているブースターからの発振である事が判明。
改善方法 原因者にブースターの改修を依頼
障害の概要

○相談者宅では、常陸鹿島局を受信。調査の結果、520MHz付近に妨害波を確認。複数の調査箇所から妨害波の最大方向を確認し、発生源が近隣家屋のブースターであることを特定した。

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受信状況調査結果
  ch20 ch21 ch22 ch23 ch24 ch25 ch26
改善前 端子電圧 62.4 59.4 57.0 56.8 58.3 58.5 62.3
画質評価 ×
BER 0.0E+0 7.8E-2 1.3E-5 1.8E-6 0.0E+0 0.0E+0 0.0E+0
改善後 端子電圧 64.1 57.9 57.1 58.0 59.0 59.0 62.0
画質評価
BER 0.0E+0 0.0E+0 5.0E-7 4.0E-6 0.0E+0 0.0E+0 0.0E+0
※ 上記測定 相談者宅前
※ アンテナ20素子 アンテナ高10m ケーブル15m 増幅器30dB

引用:「建造物による地上デジタルテレビ放送受信障害の調査と障害事例」 発行 平成23年11月
社団法人 日本CATV技術協会

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事例 No. 5
障害の種類 マルチパス
所在地 千葉県 調査年 2009年
障害内容
及び原因
障害予測範囲外からブロックノイズ発生の苦情あり。調査の結果ガードインターバル内のマルチパスによる障害。後方に高圧線及び鉄塔あり。
改善方法 アンテナを高性能型に交換。
障害の概要

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受信状況調査結果
  ch21 ch22 ch23 ch24 ch25 ch26 ch27 ch28
障害時 端子電圧 38 41 42 39 39 38 34 34
画質評価
BER 4.E-05 6.E-06 2.E-06 5.E-05 8.E-05 5.E-05 4.E-03 6.E-06
  端子電圧                
画質評価                
BER                
 

引用:「建造物による地上デジタルテレビ放送受信障害の調査と障害事例」 発行 平成23年11月
社団法人 日本CATV技術協会

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事例 No. 6
障害の種類 SFN混信
所在地 東京都 調査年 2010年
障害内容
及び原因
八王子局が受信不能となる。調査の結果、GI(ガードインターバル)を越えた位置に妨害波があり、原因は遠方に位置する山岳からの東京局反射波(マルチパス)であると推定。
改善方法 CATV加入対策、GI越えマルチパス対応のチューナーによる対策等
障害の概要

○調査箇所では、八王子局を受信。調査の結果、GI(126μs)を超えた位置に妨害波を確認。妨害波の最大方向を水平パターン測定で確認し、発生源は山岳からの東京局反射波であると推定した。

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受信状況調査結果
  ch20 ch21 ch22 ch23 ch24 ch25 ch26 ch27
八王子局 端子電圧 73.0 81.2 82.9 82.7 84.1 84.1 83.9 81.4
画質評価
BER 2.5E-3 7.2E-3 1.0E-3 7.9E-3 3.1E-4 2.6E-3 7.8E-4 1.1E-4
東京局 端子電圧 66.5 70.5 72.1 74.7 73.1 72.8 74.4 76.6
画質評価 ×
BER 4.5E-2 3.8E-3 1.3E-2 3.5E-3 8.3E-3 4.5E-3 2.8E-2 3.9E-4
※ アンテナ20素子高性能 アンテナ高10m ケーブル15m 増幅器30dB

引用:「建造物による地上デジタルテレビ放送受信障害の調査と障害事例」 発行 平成23年11月
社団法人 日本CATV技術協会

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事例 No. 7
障害の種類 DD混信
所在地 福岡県大牟田市 調査年 2010年
障害内容
及び原因
大牟田局13chが受信不能、県外波(諫早局)同一デジタルチャンネルにより障害を受けていると思われる。
改善方法 高性能アンテナ(一次対応)・リパック
障害の概要

○諫早局がちょうど大牟田局と180度違うためバックからの入り込みで影響を受けている。

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受信状況調査結果
大牟田局 17ch 13ch 30ch 31ch 29ch 21ch 26ch
希望局 端子電圧 74.0 73.5 71.1 70.1 71.4 76.3 73.2
画質評価
BER 1.3E-5 5.1E-3 0.0E+0 1.1E-4 0.0E+0 0.0E+0 0.0E+0
諫早局 15ch 13ch 23ch 20ch 45ch 18ch  
妨害局 端子電圧 54.0 52.3 56.8 52.9 56.7  
               
※ アンテナ20素子 アンテナ高10m ケーブル15m 増幅器30dB
※ 諫早局は大牟田局方向のレベル

引用:「建造物による地上デジタルテレビ放送受信障害の調査と障害事例」 発行 平成23年11月
社団法人 日本CATV技術協会

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事例 No. 8
障害の種類 AD混信
所在地 福岡県大牟田市 調査年 2010年
障害内容
及び原因
大牟田局17ch、31chのBERが良くない。同一アナログチャンネルにより影響を受けていると思われる。
改善方法 高性能アンテナ 他
障害の概要

○大牟田局デジタルがアナログにより若干妨害を受けている。

obstacle_ex_08

受信状況調査結果
大牟田局 17ch 13ch 30ch 31ch 29ch 21ch 26ch
希望局 端子電圧 74.0 73.5 71.1 70.1 71.4 76.3 73.2
画質評価
BER 1.3E-5 5.1E-3 0.0E+0 1.1E-4 0.0E+0 0.0E+0 0.0E+0
熊本方向 8ch 2ch 10ch 35ch 31ch 17ch  
妨害局 端子電圧 70.2  
               
※ アンテナ20素子 アンテナ高10m ケーブル15m 増幅器30dB
※ 熊本局は大牟田局方向のレベル

引用:「建造物による地上デジタルテレビ放送受信障害の調査と障害事例」 発行 平成23年11月
社団法人 日本CATV技術協会

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事例 No. 9
障害の種類 AD混信
所在地 埼玉県 調査年 2010年
障害内容
及び原因
東京局が受信不良のため、前橋局を受信しているが、42ch(フジテレビ)のみブロックノイズや受信不能となる。調査の結果、原因はテレビ神奈川(アナログ42ch)との混信である事が判明。
改善方法 アナログ放送停波までは、アナログ放送でフジテレビを視聴するか、CATVへ加入する
障害の概要

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受信状況調査結果
東京局 ch21 ch22 ch23 ch24 ch25 ch26 ch27 ch28  
相談者
宅前
端子電圧 63.4 59.2 64.2 60.5 61.0 67.9 66.1 62.7  
画質評価  
等価CN 18.9 19.1 19.4 20.8 16.5 29.4 30.3 26.3  
BER 5.2E-4 4.7E-4 8.2E-4 2.9E-4 1.7E-3 7.1E-7 0.0E+0 3.5E-7  
前橋局 ch19 ch28 ch33 ch36 ch37 ch39 ch42 ch43 ch45
相談者
宅前
端子電圧 73.5 72.4 72.2 72.3 71.8 72.6 71.2 70.9 70.5
画質評価
等価CN >32 >32 >32 >32 >32 >32 18.6 >32 >32
BER 0.0E+0 0.0E+0 0.0E+0 0.0E+0 0.0E+0 0.0E+0 2.7E-7 0.0E+0 0.0E+0
※ アンテナ14素子 アンテナ高10m ケーブル15m 増幅器30dB

引用:「建造物による地上デジタルテレビ放送受信障害の調査と障害事例」 発行 平成23年11月
社団法人 日本CATV技術協会

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事例 No. 10
障害の種類 妨害波
所在地 神奈川県 調査年 2007年
障害内容
及び原因
共聴受信設備にて、平塚局18chと19chにブロックノイズが発生し視聴できない時間帯がある。調査の結果、幹線道路沿いにある受信設備に、渋滞時タクシー無線の妨害波が混入することが原因である事が判明。また、タクシー無線の他にもアマチュア無線の混入も見受けられる。
改善方法 帯域外阻止フィルタ挿入
障害の概要

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受信状況調査結果
  ch18 ch19
対策前 端子電圧 71.4 72.3
画質評価 ×
BER 5.1E-3 2.9E-4
対策後 端子電圧 70.2 70.4
画質評価
BER 0.0E+0 0.0E+0
 

引用:「建造物による地上デジタルテレビ放送受信障害の調査と障害事例」 発行 平成23年11月
社団法人 日本CATV技術協会

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事例 No. 11
障害の種類 妨害波
所在地 神奈川県 調査年 2010年
障害内容
及び原因
地デジ視聴時、ほぼ毎日18時過ぎ頃から21時頃まで南足柄中継局の全chにブロックノイズが発生する。その他の時間帯は受信不良が発生しない。調査の結果、近隣のテニスコートの夜間照明設備を点灯させると受信不良になることが判明。照明装置に故障個所があり、そこからの妨害波が原因である事を特定した。
改善方法 原因者に夜間照明用装置の修理を依頼
障害の概要

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受信状況調査結果
  ch30 ch34 ch32 ch36 ch38 ch40 ch44 ch44
障害時 端子電圧 44.4 44.0 46.6 44.1 45.4 44.6 47.4 44.2
画質評価
BER 1.7E-3 2.9E-3            
良好時 端子電圧 44.4 44.0 46.6 44.1 45.4 44.6 47.4 44.2
画質評価
BER 0.0E+0 0.0E+0 0.0E+0 2.5E-8 0.0E+0 0.0E+0 0.0E+0 0.0E+0
※ 上記測定 相談者宅前路上、測定車

引用:「建造物による地上デジタルテレビ放送受信障害の調査と障害事例」 発行 平成23年11月
社団法人 日本CATV技術協会

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事例 No. 12
障害の種類 妨害波
所在地 茨城県 調査年 2006年
障害内容
及び原因
地デジ視聴時、水戸局ch18とch19が視聴できなくなる事が多い。電気店にも4回点検してもらったが設備異常はなかった。調査の結果、近隣店舗のワイヤレス監視カメラ装置からの妨害波が原因である事が判明。
改善方法 原因者にワイヤレス監視カメラ装置の改修を依頼
障害の概要

○相談者宅では、水戸局を受信。調査の結果、500MHz付近に妨害波を確認し、発生源が近隣店舗のワイヤレスカメラであることを特定した。

obstacle_ex_12

受信状況調査結果
  ch20 ch13 ch14 ch15 ch19 ch17 ch18
障害時 端子電圧 59.4 63.3 61.8 63.6 61.9 63.5 62.1
画質評価 × ×
BER 0.0E+0 0.0E+0 1.4E-5 0.0E+0 7.8E-2 0.0E+0 7.8E-2
良好時 端子電圧 58.2 62.0 60.3 61.8 60.2 61.9 60.4
画質評価
BER 0.0E+0 0.0E+0 9.8E-7 0.0E+0 0.0E+0 0.0E+0 0.0E+0
※ 上記測定 相談者宅壁面端子

引用:「建造物による地上デジタルテレビ放送受信障害の調査と障害事例」 発行 平成23年11月
社団法人 日本CATV技術協会

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事例 No. 13
障害の種類 フェージング(希望波の電界強度低下)
所在地 栃木県 調査年 2010年
障害内容
及び原因
○東京局を遠距離受信している相談者より、朝晩の時間帯で地デジ受信出来なくなる事が多いとの相談。調査の結果、希望波の受信電界強度が変化(低下)し、地デジ受信不良になる事を確認した。
改善方法 共聴対策、ギャップフィラー対策等
障害の概要

○相談者宅では、地形の影響により県内のテレビ中継局受信が困難である理由から、100km以上離れた東京局からのテレビ電波を受信しているが、希望波の受信状況が変化(低下)し受信不良になる事がある。

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受信状況調査結果
  ch21 ch22 ch23 ch24 ch25 ch26 ch27
障害時 端子電圧 34.9 34.9 35.4 35.9 34.3 30.4 32.9
画質評価 × × × × × × ×
BER 7.8E-2 7.8E-2 7.8E-2 7.8E-2 7.8E-2 7.8E-2 7.8E-2
良好時 端子電圧 44.2 45.3 43.5 43.8 44.3 42.7 42.3
画質評価
BER 0.0E+0 0.0E+0 0.0E+0 0.0E+0 0.0E+0 0.0E+0 0.0E+0
※ 上記測定 相談者宅壁面端子

引用:「建造物による地上デジタルテレビ放送受信障害の調査と障害事例」 発行 平成23年11月
社団法人 日本CATV技術協会